動画マーケティングについて、なんとなく見えてきた成功への考え方を書いてみる。
動画マーケティングについて実践したことを書く。
動画配信の手法については、素人に毛が生えたくらいの知識の私が語るよりViibarさんのようなプロの記事を読んだほうがいいのですが、
今回は、いちマーケターとしては自分の中で答えを持っておきたいので、最近いろいろ試してきた中からなんとなく見えてきた動画マーケティングの方針メモを公開したいと思います。
ちなみに、めちゃくちゃシェアされる動画の作り方は書いてません。少ない予算(300万以下~)でいかに効果の出る動画を作るかのコツは少し書いてあります。参考になれば。
まずはじめに。動画を作る大義とは。
まず、基本ですが、皆さん動画マーケティングをやるときに、なぜ動画を作ってマーケティングする必要があるのか考えることからはじめると思います。しかし、ここがまじ難しい。
- 記事ではだめなのか。
- Twitterでつぶやくだけではだめなのか。
- 動画を作りたいから作っているのではないか。
- 動画を作ったらバズって拡散すると安易に思ってないか。
その疑問から逃げてはいけませんが、意外と逃げがち。動画は届けられる情報量が多いとか、印象に残りやすいとか、まあ色々なメリットがあるのですが結局は
「お客さんの××という行動を喚起したい。そのためには動画が必要」
という確固たるロジックが必要です。しかし、素人だとそのロジックが全く思い浮かばない。
実際に僕もそうでした。なかなか目的と動画マーケティングがイコールにならなかったです。
直接効果、コンバージョンのために動画?
さて、ここから少し体験談を交えて。
僕は先月、自社サービスの認知拡大を目的に動画マーケティングをやったのですが、作る前に外部アフィリエイトベンダーから、なぜわざわざ動画を作ってやるのかと、指摘されました。サービス紹介なら、比較表などを作ってわかりやすく書く方がいいのでは、と。動画をつくるならバズ狙いであるべき、と。
その意見は最もらしく聞こえますが、僕が目的とする「サービス認知拡大施策」としては不十分でした。
世の中の99%以上のユーザーは受動的にしか情報が受け取れないのですから、SEOや検索連動ではダメです。1%に届ける施策なのです。さらに、万一バズってもサービス認知拡大には繋がらず、一時的に盛り上がるだけ。しかし、意外とこれに気づかない。
動画マーケティングの意義と結果。
サービス認知には、
- 何も知らないお客さんに何かあることを知らしめること
- もしくは何らかのイメージが漠然とあるお客さんのイメージを上書きすること
が必要。つまり、今回はサービス認知拡大を目的としていたため、
「マス的に低単価配信ができ、かつページ遷移を伴わなずその場でサービス訴求ができる」
ということが、動画マーケティングが必要な理由になりました。アフィリエイトベンダーからの意見で考え抜いた結果、動画マーケティングの意義が明確になりました。
はっきり言って出来上がった動画、見た目はダサいのですが、いい感じの尺の動画を作成し、適切に配信することで、広告したサービスの利用は、広告しなかった月より二倍近く伸びました。
より具体的に。動画の目的と作り方のコツって?
ここからが本題。じゃあ、前述の大義を見つけるためにどういうプロセスを踏んだのか、を書きます。僕の体験から得た動画マーケティング動画の方程式をまとめると、
A:誰にどこで見せるか
B:何を見せるか
C:目的と配信パターンの一致
の掛け合わせとします。(色々な方程式があるのでここではこれと決めつけます。)
Aは当たり前というか従来型の広告と考え方は変わらない、Bはクリエイティブなのでプロの経験やセンスが必要、なので割愛。
個人的にはCが意外にも大事で忘れがちであり、動画の意義を見つけるポイントなので、今回は詳しく書いてみます。
※ちなみに、A,Bに加えあえて少し異質なCを切り出したのは作為的です。
C 目的と配信パターンの一致を細分化。
大事な、というか作為的に切り出した「C 目的と配信パターンの一致」について、5個に分けて話します。
- 強制的に見せる配信パターン。目的はどうしても認知拡大をしたいとき。動画の視聴をKPIにおくがブランドリフト低下が代償。ただし、短い動画であればその限りではない。再生数が確保されるので認知はある程度取れる。
- スキップ可能な配信パターン。目的はサービスの紹介や、使い方動画などを、効率よく配信したいとき。再生課金であれば低単価でも配信できる時もある。スキップをさせない工夫が必須。
- スキップの隙すら与えないくらい極短な動画配信パターン。基本インパクトを与えるバイラル系か、他の動画、サイトへの誘導が目的。当然すべて伝えることはできないので、クオリティがかなり高くないと、ユーザーに意味が伝わらないというひどい目にあう。低単価で配信でき、視聴完了率はほぼ100%になる。
- 自動再生の配信パターン。Facebook、Twitter、インスタとか。面白いこと、たのしいこと、便利なことを伝えてサイトに誘導したり、認知をあげることが目的。目に付いたら見られるが、垂れ流しになっても課金されるので、圧倒的なクオリティや工夫があれば自然に認知が高まる反面、リスクも高い。
- コンテンツとしてネイティブ配信し、動画設置ページに誘導する配信パターン。うまく配信すればクリックして回遊してもらえるメリットがあり、1~4と組み合わせるといい。ワンクッション置くので当然動画再生数は一番少なくなる。
一般的には1の強制,2のスキップ可能なのかなと思います。前は1の強制が大半でしたが、ブランドリフト低下があるのでユーザーにとって優しい2のスキップ可能が増えている形です。
最近はGoogleではバンパー動画なる6秒広告が出始めている通り、3の極短が流行りはじめてます。ユーザーにとってはストレスなく、楽しく、広告主はうまくいけば安く出稿できるというwinwinなものです。6秒のなかにかなりのクオリティが求められますが。
結論、別にどれもいいのですが、この目的と配信パターンの一致を考えないで動画を作る人が多いのではないでしょうか。
ここから考えて作るメリット
目的と配信パターンの一致を考えると、以下のように進め方が明確になります。
- まず目的が明確になります。
- 目的に合わせた配信パターンが決まります。
- 配信パターンに合わせたクリエイティブ作成ができます。
私は前述のサービス紹介動画は、目的がサービスの認知拡大と明確でした。
セオリー通り2のスキップ可能パターンでの配信を決めていたので、冒頭にとにかく惹きの強い画を入れるなどの工夫をし、再生完了率を高めました。それによって配信のCPV,CPCが抑制されもっと配信できるというポジティブなループが完成しました。
更に、組み合わせもしました。再生数は2スキップ、クリックは5ネイティブ広告で確保、といった具合です。ブランド動画なら、余裕があれば3極短もいいですね。
動画バズを初めから狙う恐怖。
補足ですが、前述のとおり3の極短手法もKPIによってはかなり効果的で、特にキャンペーンやブランディングの時には高い効果を発揮するのではないかと思います。
バズりたいから極短配信をする、というのもあるはあるのですが、やめましょう。そもそも優秀な企画と、本編の他に6秒のクオリティが高い動画を作る必要があるのと、動画を見たあとの受け口という三位一体があってはじめて成功します。
もちろん、下記リンクの小林市のような突き抜けたクリエイティブと戦略があれば何も心配いらないんですが、狙うのは儚すぎる。みんな、これをやりたいんでしょうけど。
結局、百数十万円規模の少ない予算で成功を狙うには、クオリティなんて求めることは全然できなくて、予算ありきで目的と配信パターンが一致してないと無理なんですよね。
動画マーケティングが向いていない例。
ここまで読んでいただければなんとなくわかっていただけると思いますが、動画マーケティングに向いていないパターンが何個かあります。
- 使い方や、やり方をとりあえず動画にしてみた動画の配信(そもそも動画の必要が無い)
- 自社サービスや商品の比較をする動画(記事の方がわかりやすい)
- 配信したいがために作る動画の配信(目的がない)
- 目的と配信パターンが一致していない(長いのにスキップできない、など。)
- とりあえず謎にバズ狙い。
例えば、長い動画を作るのは大賛成なのでコンテンツマーケティングに切り替えてみてはいかがでしょうか。
まとめ。
動画マーケティングの目的。
それは、まずユーザーに気づきを与え、その後に短い時間でたくさんの情報を伝え、態度変容をしていただくため、という他はありません。
配信パターン。
いくら作っても届かなかったら、なんの意味もありません。
動画マーケティングをやりたいけどやり方がわからない。成功するにはどうしたらいいかわからない。
そんな方は、まずは大義(目的)と配信パターンがマッチするのかを考えてみましょう。 意外と答えが見えてくるかもしれません。
よく知っている方には穴だらけの記事だったかもしれませんが、動画マーケティング素人が思ったことです。ご了承ください。
今、新しいこと仕込んでいるので、その結果が出たらまた動画の事書いてみます。
それでは、んちゃ。