事業主は、プロジェクト開始前のオリエンに受託側(ベンダー)に向けた『ひけらかし勉強会』を実施すべき。
情報を隠して、いいことなんて何も無い。
僕が事業主側に転職してきてすると決めていることの一つが『外に出す情報は出し惜しみしない』ということだ。(当たり前だがNDA等契約ベースで。)
それは、僕が受託側にいた時の経験がそうさせている。
担当している中で『必要以上の情報は見せない』というクライアントが多々いた。
気持ちはわかる。
しかし、得てしてこういう「見せない」クライアントとはいい関係を築けなかった。
確かに、明らかに必要ない情報や、自分で考えるべき情報は出すべきではない。
しかし、何でもかんでも情報を渡すことを拒むスタンスは、生産性を極端に損なわせるのだ。
理由はいくつもある。
- どうせもらえないから、本当に欲しい情報なのに、欲しいとお願いできなくなる。
- 信用してもらってないから、根本からやる気が出ない。
- 前にアウトプットされたものを、また出してしまうといった無駄が絶対出てくる。
と言った具合。まさに、ネガティブループの完成だ。
だから、情報は隠しても何の得もないと実感している。
新たに取引を開始する会社にはひけらかし勉強会を実施するようにしている。
僕がひとつ工夫をしているのが、プロジェクト開始前の『ひけらかし勉強会』の実施だ。
勉強会は以下3テーマを1時間ずつ、計3時間くらいかけてじっくりひけらかす。
以下、三つのひけらかしを解説。
①商品・サービスのひけらかし
たとえばうちの会社はクレジットカードが200種類くらいあるがその性質はさまざまだし、個人向けもあれば法人向けもあるから説明しないとわかるわけがない。
受託側にいてもどかしいのが、商品やサービスの知識が乏しいことだ。
当たり前なのだが、明らかに自社サービスのことを考えている事業主より知識が劣るので、的を射た提案が出しにくい。
そのジレンマをあらかじめ解決しておかなければならない。そして、このジレンマがなくなると提案内容が非常に「具体的」になる。
②会社方針・KGIのひけらかし
どういう業績で、いまどういうことを考えていて、これからどうなりたいのかも伝えないと、提案いただく内容がそこから逸れてしまっていてはそもそも実施できない。
もちろん、KGIベースで伝える。
そして、競合との差別化ポイント、こだわりもしっかり伝えておく。競合とがっぷり四つで戦うケースもあるが、やはりこだわりをもっているケースが大半だ。
この説明によって「数値を上げる」という意識が圧倒的に醸成される。
③過去施策のひけらかし
過去こういった施策をやってこんな結果が出た、ということも抜け盛れなく伝える。アウトプットも全部渡す。
これは提案に被りが発生しないためでもあるのだが、なんとなくどういう施策が成功するのかの当たりがつくということが大きい。
この説明で、「施策の成功率」が高まる。
このように、3時間のひけらかし勉強会をやるだけでもその後のプロジェクトの進行や結果が明らかによくなる。
実際に複数社に実施して「勉強会は初めてです」といわれるのだが、軒並み評判はよい(と思う)し、おそらくこれから成果となって出てくると確信している。
僕がブログをやるのも同じ。
僕はブログであけすけに書いているのだが、それも上記のスタンスの延長線上にある。
それは、アウトプットをすればするほど、自分に返ってくる、というスタンスだ。
ブログをはじめてまだ三ヶ月くらいだが、たったこれだけでもいくつもの反響があり、出会いがあり、そこから得た知識は多い。
アウトプットをして、悪いことなんてほとんどない。(もちろん、悪口を言ったり、会社の機密事項を言ったりしてはいけないが。)
マーケターのみなさん、情報は惜しげもなく渡しましょう。
隠すほどの情報なんてそうそう無いし、必要か不必要かは渡した相手が判断する。そして、むしろ積極的にインプットをすればその分帰ってくる。
それでは、んちゃ。