あなたの企業やプロダクトのCXコピーは『ならでは』になってる?CXコピーの正しい作り方。featuring エンゲージメントファースト原氏
エンゲージメントファースト原氏によるCXセミナーの共有です。
先日、エンゲージメントファーストの原さんから『CXについて』を当社特別にレクチャーしていただく機会がありました。(事業主にいてよかったと思える瞬間。笑)
毎度の事ながら原さんのセミナーはいつも気づきを与えられます。今回も充実の内容だったので、ぜひみなさんにも共有させていただこうと思い書きます。
#原さんのセミナー内容を、僕なりに少し解釈して書いています。
それではどうぞどうぞ。
あなたのCXコピーは、どこの企業でも言えるCXコピーになっていないか?
みなさんもCXコピーを考えたことがあると思いますが、例えば、
『お客様に楽しく快適な瞬間をお届けする。』
というCXがあったとします。如何にもありそうなCXコピーですし、実際にあるかもしれません。
しかし、このCXコピー、どの会社にも使えますよね。
- どう楽しいのか?
- 快適とは何なのか?
サービスやプロダクトによって、得られる楽しさや快適さは全く異なります。もちろん、多少の曖昧さはあってもいいのですが、当たり障りのない内容では消費者に響きません。
CXで大事なのは『ならでは』があるか。
ここで大事になるのが、『ならでは』があるのか。
言い換えると
『WHY』―何故企業が存在するのかの【存在価値】があるか
ということ。生活者と企業とのShared valueなんて言い方もします。
そして、CXコピーはこのWHYを説明するものでなくてはなりません。
つまり、どの会社でも使えるCXコピーになっている時点で、WHY(存在価値)が考えられていないのです。
みなさんのCXコピーの場合は、どうでしょうか??
ゴールデンサークル理論から考える。
少し話は変わります。
これから話す『ゴールデンサークル理論』とは、2009年に提唱された、熱狂的なファンを作るためのフレームワークです。
簡単に言うと、
- サービスや商品の魅力(WHAT)を宣伝するのではなく、
- 企業としてのメッセージ(WHY)を伝えることで優れた組織であると認識させることが必要。
- WHYとWHATには隔たりがあり、そこをつなぐのが体験価値の創造であるCX(HOW)。
という内容です。(詳しく知りたい方は上記の記事みてください。)
よくサービサーはやりがちなのですが、とにかくスペックや機能のWHATから入るパターン。それだと、よっぽどすぐれたものでなければ消費者の選択を得ることは困難です。
いい例としてわかりやすいのが、ヤマトホールディングスのWHY。
『お客様(荷物の受取主)を笑顔にする』
というWHYのもと、社訓という名のCXコピーが作られています。
これ、お客様=受取主としている点が秀逸ですよね。
お金をもらうのは依頼人からなので、本来であれば依頼人をお客様にすべき。しかし、あくまでヤマトは依頼人から荷物を委託し、その想いまで含めて届けるという『CX』を掲げているのです。これぞCX。
他にも、優れたWHYをいくつか原さんが教えてくれました。
- 良品計画→「感じ良いくらし」の実現
- アメリカン・エキスプレス→「世界で一番尊敬されるサービス・ブランドを作る」
それぞれ、明確かつわかりやすい、かつ唯一無二のWHYであり、CXに落とし込まれています。
そして、これらゴールデンサークルを意識している企業は熱狂的なFUNが多く、売り上げも伴っていることが大半であるそうです。確かに。
WHYを実現するためのストーリーを作っていく「デザインシンキング」
WHY型にしていくと、ストーリーになっていくのでタスク型でなくなります。これは、デザインシンキング、というアプローチになります。
- お客様に何を伝えるか明確になる
- 誰に何をして欲しいか、どう思ってほしいかが明確になる。
という利点が生まれます。
もちろん、ロジカルなタスク型も抜けもれなく重要な役割があり、使い分ける必要はあります。
しかし、プロジェクトのコンセプトメイキングや企業CXの策定には、企業としてやプロジェクトとしての存在価値ありきで考えるべきです。
しかしWHYを考えることは難しい。
本記事、みなさんのCXコピーを考える上でヒントになれば幸いです。
プロジェクト一つ一つでWHYを考えると無駄なプロジェクトがなくなるという話もあり、今後そうしていこうと思った次第です。
しかし、このセミナーの中でワークショップがあり、当社のWHYを考えてみたのですがやはり難しいですね~。うちのWHYってなんだろうか。
でも、プロジェクトメンバーがつねにWHYを考えていくことは非常に重要なことであると実感しました。
みなさんも、ぜひ一つ一つのWHYを考えてみてください。
それでは、んちゃ。