子育て世代のフラリーマンとその奥さん達に告ぐ。フラリした・された日々を後悔する前に直すべき3つの修正点。
フラリーマンについて、子育て好き男子が語ってみる。
どうも、fkdです。
去年の秋くらいから、フラリーマンという言葉をちょくちょく聞くようになりました。最近でもまたニュースになってましたのでみなさんご存知かもしれません。
フラリーマンの陰で泣くワンオペ妻 息抜きVS甘えすぎ:朝日新聞デジタル
フラリーマンを念の為に復習しておくと、まず言葉の産まれですが、
社会心理学者の渋谷昌三さんが2007年の著書の中で、家庭を顧みず居場所を失いふらふらするサラリーマンの姿から名付けた。
そして、フラリーマンになる理由はたくさんあるみたいですが、最近では主に男性育児参加の文脈で使われることが多いようです。
- マイペースに過ごせる時間が欲しい
- 寝かしつけのタイミングで帰りたくない
- 家事の邪魔をしたくない
という理由でフラリーマン化するとのこと。上記の理由が何一つまともな理由ではないことは明らかですが、僕の周りにも正直沢山います。
しかし、家に帰れるのに帰りたくないというのは異常事態ですよね…。そして、職場にも家庭にも居場所がないのはある意味可哀想なのかもしれません。
前置きが長くなりましたが今回は、子育て文脈でフラリーマンになってしまう原因と、それの解決法について、子育て好き男子がまとめてみます。
旦那と奥さん両方が被害者意識をもっているのが原因。
旦那「帰っても肩身が狭い。帰っても子育ての戦力になれない。仕事で疲れてるのに、家事もやらされる。」
奥さん「帰ってこられるのに帰ってこないなんて有り得ない。戦力になるかならないかは別にして帰ってきてほしい。」
両者の言い分は大抵こんな感じです。
なんか両者の言い分はわかるような、全然わからないような感じなのですが、両者の認識の違いが凄まじくあることは間違いないです。
この状態は、旦那も奥さんも『被害者』の気持ちになってしまっていると言えます。
さらに、被害者から状況を改善するように仕掛けるのは違うという意識があるため、状況は悪化する一方です。
解決方法は至極単純。尊敬、実践、意識の変化の3つだけ。
この状態の解決方法は、お互いがお互いのモヤモヤしているところを認めあい、認めあっていることを表現するだけ、です。
そこで、一応少しはやれている経験者としてそれぞれの立場で3つずつ、
- 尊敬
- 実践
- 意識
に分けて、具体的な行動を書いてみます。
奥さんがやるべきこと3つ。
- 尊敬:旦那さんが早く帰ってきてくれたこと自体を褒めてください。もしかしたら、白い目で見られながら帰ってきてくれたのかもしれません。帰ってくるのが当たり前とは限りませんから。
- 実践:お手伝いしてくれたことがどんなに些細なことでも褒めてください。
- 意識:少し間違っていたとしても、優しく終わるまで見守り、正しいやり方を優しく教えてあげてください。
旦那さんがやるべきこと3つ。
- 尊敬:子供が小さいうちは、マイペースに過ごせる時間は奥さんにだってほぼないと認識しましょう。トイレにすらまともにいけないのですから。俺は仕事で疲れてるからマイペースに過ごせる時間が欲しい、なんて思わないでください。
- 実践:間違っていたとしても、やり方がわからなくて怖くても、とにかくチャレンジしてください。
- 意識:貴重な時間は今だけなので、コーヒーを飲んで帰るなんてこと自体勿体ないと自覚してください。
二人でやること3つ。
- 尊敬:感謝の想いは常日頃から伝えあいましょう。口に出さないとわかりませんから。
- 実践:たまに1人ずつ好きなことをやれる、1人の時間を作りましょう。お互い、その間は何をしているか、誰に会っているのかは知らないくらいでもいいでしょう。
- 意識:どちらがどれだけやったのかの比較をしないようにしましょう。お互い出来る範囲で最大できることをすればいいのです。
どれも大事で、ひとつでも上手くいく時はあるけど、旦那がやるべき3つは全てマスト。
上記でどれが大事か考えてみたのですが、結論全て同じくらい大事です。なので、ひとつだけ実施しても良くなることもあるかもしれません。
しかし、旦那さんがやるべきこと3つは、全てやらないといけないです。ひとつでも欠けると成功する絵が見えてきません。それくらい、フラリーマンが変わるには足りていない要素が多い気がします。
そして、正直、男性側はマジョリティに流されない強い意志が必要なのかもしれないですね。そこがないと、3つのやるべきことはひとつもなし得ないです。
フラリーマンを無くすために。自分や旦那がフラリーマンにならないために。
さて、いかがだったでしょうか。僕なりにフラリーマンの解釈と解決法を書いてみました。少しでも参考になったり、何かのヒントになれば幸いです。
というか、子どもが小さいうちは十数年と限られていて、幼少期に限れば数年。それでいて子どもは1日でも劇的に成長するものですから、フラフラしているのは本当に勿体ないんですよね。
それに尽きる。とにかく勿体ない。エントリーのタイトルにもしてますが、後悔する日を迎えないためにも子育て文脈のフラリーマンなんて撲滅させたい。
また、フラリーマンになるならないは別にして、上記にまとめたことはどんな子育て世帯でもやるべきことです。
僕も反面教師として、しっかり意識して子育てと仕事の両立をしていこうと思いました。
それでは、んちゃ。
『恩与え』と『恩返し』の話。
どうも、fkdです。
ちょっと小話チックなエントリーにお付き合い下さい。
『恩与え』と『恩返し』。
僕は人のために何かやる時、恩を与えると、いいことが返ってくることがある、と思ってやることが多いです。これを『恩与え』と名付けてこのあとの話を進めます。
恩与えのスタンスを少し解説すると、『恩が返ってくるのを期待しているからやる』というわけではなく、実際どれくらい返ってきているのかはさっぱりわかりませんし、本当に期待してませんが、とにかく恩に感じてもらえるようなことをするようにする、という感じ。
一方、人によっては『恩は返すもの』という考えの元仕事をしている方もいます。この場合は、その言葉の通り恩を受けたということがフックになって『恩返し』をするわけですね。
この、恩与え派と恩返し派って、意外とパッキリ分かれると思います。みなさんはどちらかというと、どちら派でしょうか。きっと、恩返し派が多いのではないでしょうか。
世の中、恩与えがあるから恩返しがあるのに、恩与えの地位は低い。
恩返しは言わずもがな、超一般的な考えであり、一般的な言葉です。
しかし、恩与えという言葉は辞書には載っていない。恩に着せるとか、恩恵を与えるとか近しい言葉はあるのですが、『恩着せがましい』なんてネガティブなニュアンスだし、『恩恵』なんて大げさで全然違います。
つまり、恩与え自体あまり良くない概念、大げさな行為としてとらえられているのかもしれません。
恩を与えるなんていうのは上から目線だし、恩かどうかは人それぞれだから押し付けがましく映るからでしょうか。
初めに恩与えがなければ、恩返しは存在できないのに、毛嫌いされているのには個人的に違和感を覚えます。
恩与えは、いやらしい行為ではない。
相手が恩に思いそうなことを積極的にやることは、悪いことであるわけがないです。
見返りを求めることはしない。けど、その人は、いつか自分にいいことをもたらしてくれるかもしれないから、お手伝いする。
『それって、結局いやらしくない?』
と思われるかもしれませんが、僕らは神ではないので、常に与え続けるだけではつまらな過ぎて生きていけません。
そして、別に相手が恩に思わないことを頼んでくるのって、こちらが舐められてるか、意味の無いことが大半なのです。
「それって、何のために、誰のためにやるのでしょう?」
冷たい言葉かもしれませんけど、これに答えられない時ってやっても意味が無い時がほとんどです。 こう考えると、恩与えというスタンスはわりとロジカルな風にも思えます。
恩与えをするときには、恩返しは期待してはいけない。
恩与えで重要なのは、恩与えをした後に別に何ももらたしてくれなくても、何も思わないということ。
少しでも感情を入れると、何も貰えなかった時に、つまらない、いらつく、理不尽だという無駄な感情が発生してしまいます。
むしろたいてい、恩返しされることはないのかもしれません。けれど、頭の片隅の、深層心理では覚えていてくれています。
恩返しも、恩与えも尊い行為である。
恩返しが偉い、恩与えが偉いということを言いたいのではなく、どちらも素晴らしい行為であると思います。
恩与えと、恩返しで世の中はできている。
恩与えの話、みなさんはどう思いましたでしょうか。このエントリーで、恩返しは期待していません。笑
それでは、んちゃ。
SEOに、一番必要なことは、熱意と粘りでしかない。
SEOは、いつの時代も市民権が得られにくい。
どうも、fkdです。
今回は今更ながら、SEOの大事さについて語らせてください。
SEOとはご存知の方も多いとおもいますが念の為解説すると、『検索した時に狙ったキーワードで上位にくるように工夫するテクニック』です。
僕は前職でSEOのコンサルティングをしていて、今も少しSEOをやってます。かれこれ、2009年からSEOはやってきたので9年くらいは細々と関わってきました。
と時代とともにSEOの変化はありますが、依然重要な技術であることは変わりないです。
しかし、未だに変わらないものがあります。それは、Web制作現場におけるSEOに対する熱意の低さ。
SEO<デザイン。
ユーザー体験を高めるのは、サイトに来たあとだけ最適化すればいいわけないです。
サイトに来る段階で「探しているページにすぐ辿り着けない」とストレスフルな状態で来るわけですから、その後フォローしてもプラス体験にするのは困難です。
しかし、来たあとのことばかり考えてしまうのは、企業のウェブ担の悪しき慣習であると思います。
あとは、そもそもページに来てくれなければ、作った意味が全くないことも忘れがちです。作って満足してしまう、本当に意味が無い。。
今やアクセス解析をもとにした『データドリブン』なデザインや導線の改善はやらなければならないものになっているのに、制作フローの中でSEOを同じくらい重要視している企業は数える程しかいないのか現状です。
カスタマージャーニーで、各タッチポイントにおけるSEOの重要性が入っているアウトプットを、私はあまり見たことがありません(SEOベンダーが作るジャーニーは除くと。)
SEO担当は、幸せの伝道師。
SEOの重要度をいまいち社内に理解してもらえないのは、伝える側にも問題があります。
『テクニックで、順位が上がって、お客さんにたくさん来てもらえる』
という言い方をすると、技術的な(小手先の)改善であり、無意識のうちにあたかも少し『ズル』をしているように感じられてしまいがちです。
しかし、全然違います。
SEO業界では知る人ぞ知る、サイバーエージェントの木村さんはこう仰ってました。
ユーザーが知りたいことは?
それにたどり着くまでに手間をかけさせないためにはどうしたらいい?
情報検索者の満足を徹底的に追求する。
SEO担当は『幸せの伝道師』だ。
『幸せの伝道師』。
何ほざいとるんじゃ、と思われるかもしれませんが、私はかなり気に入っています。
- ユーザーが、知りたい情報にすぐたどり着けるようにする。
- たどり着いた時に、わかりやすく伝える。
- キーワードの周辺情報を捉え、追記しておき、付加情報も与える。
これらのどこがテクニックなのでしょうか。企業やユーザーが一生懸命書いた情報を、ほかの求める人に、わかりやすく届ける。まさに幸せの伝道師なのではないでしょうか。
しかし、伝えるには熱量と粘りがいる。
しかしSEOを追求すると、
- ただでさえ短納期でページやサイトを作ることが多い中で、SEOだけでもそれなりに時間を要してしまう
- たまにデザインが悪くなる時がある。
- SEOのことを知っている人が少ないのでどのタイミングで必要なのかよくわからない
- 技術的な内容なのでつまらないと感じる人が多い。
- SEOの実装は制作部隊とシステム部隊への理解促進と説明が不可欠。
などなど、担当者にしてみれば楽しくもなく面倒な壁にぶち当たることが多いです。というか、大抵ぶち当たります。
そんなとき、上記のような『我々は幸せの伝道師でないといけない』ということを恥ずかしがらずに、粘り強く伝えないといけません。
だって、1回じゃ絶対に伝わりませんし、担当者も忙しいのでしつこく言わないとSEOはやってくれませんから。悲しいけど、まだそんなもん。
#SEOベンダーあるあるとしては、いくら施策を提案しても事業者側がやらずに試作だけ積み上がり、結果も出ないで切られるパターンが大半です。
熱意で仕事を語るな、という人も多いかもしれません。しかし、ロジックも必要ですが、ロジックを押し通す熱意がSEOには必要なのです。これは絶対に必要。
面倒くささの先にあるユーザーに与えるメリットを追求させよ。
せっかく作ったページが見てもらえないというデメリットを払拭させよ。
企業のSEO担当者の方、今こそ声を大にして伝えていきましょう。そして、何回も繰り返し伝えていきましょう。
#ちなみに、僕がSEOをやっているから書いたのではなく、SEOの大事さはどのマーケターでも同じだから、改めて書きました。
それでは、んちゃ。
ファンベースの重要性。ファンに自信を持ってもらうことが売上を生み出す(さとなおさんセミナーより)
さとなおさんから学ぶファンベース。
どうも、fkdです。
先日、広告業界で知らない人はいない「さとなおさん」のセミナーさんに参加させていただきました。
ファンベースマーケティングの話をしていただいたのですが、シンプルで非常にわかりやすいながらも刺激的な内容で、仕事がしたくなりましたよ、ちょっとだけ。笑
全てをお伝えすることはできませんが、私なりにポイントだと思う点を書かせていただきます。まじ参考になるので読んでください。
どうぞどうぞ。
ファンが売上の大半を占めているのに、マーケティングでは無視されがち。
よくマーケティングで出てくる『パレートの法則』。詳しくはググったらわかりますので割愛しますが、未だに市場ではパレートの法則はたいてい当てはまります。超訳すると、
『10~20%のユーザーが80%の売上を作る。残りの80%は浮動層である。リピーターであってもファンでなければ動く』という事実があります。
しかし、それがいまいち認識されていないところに問題があるとさとなおさん。
結果「20%の売上を作るファンを無視し、80%の新規顧客を取りに行く」のはマーケティング的に非効率なのにもかかわらず、そればかりをマーケターは求められています。たしかにその通りです。
実際、飲料材では8%のユーザーが45%の売上を作り、新規で獲得したファン未満の59%の顧客は8%の売上しか占めていないというデータがあるにもかかわらず、サンプリングを該当でしたり、バズ施策を繰り返すことに力を入れがちです。
時代的に新規顧客を刈り取るのは難易度が高すぎる。
繰り返しになりますが、未だにマーケターのプロモーションは新規顧客開拓をメインにやらされがちです。
しかし新規顧客を得ようとするには、たくさんの困難があります。何個かまとめると、
- 高齢化により消費を控え、保守的になって新しい商品やサービスには行かない。(人は歳をとると保守的になってしまいがち。)
- 超成熟市場。USP(競合との差別化ポイント)の陳腐化により、似たような商品が増えてかえって選べなくなる。(知らない方はジャムの実験で検索。)
- コンテンツの過多。作っても作っても海岸の砂のように埋もれる。そして、そもそも一部の人しか見てくれない。
といった主な理由で、新規を刈り取るのは難易度も高く、その割に前述のようにリターンが少ないです。
そこで重要になってくるのが『ファンベースマーケティング』。
- 既存のファンを大事にすること。
- そして、新たなファンを育てていくこと。
こうすることで、売上も高まっていくというのは、非常に論理的なアプローチであることは明白です。
ファンを大切にし、育て、口コミを周りに広めてもらう。
ファンベースで重要な考え方は、『友人知人家族などの口コミに勝るものはない』ということ。
情報過多で、保守的になってきて、何を選んだらいいのかわからない場合、最後の背中押しになるのはやはり信頼出来る友人知人家族の意見なのです。
『類は友を呼ぶ』というのが今になって大事になってきた。友人の購買行動は最強の羅針盤になる。
と、さとなおさん談。たしかにその通りで、今のインスタ映えな文化に象徴されてますし、コトラーの4.0の発想も同じことを言っています。
ただし、全員をファンにするために八方美人である必要はないです。結局、2割のファンが売上を作るのですから、2割に好かれればいいのです。
学校のクラスで例えると、40人全員に好かれるのは無理です。せめて7,8人の仲良しがいれば、充分楽しい学園生活が送れます。
全員に好かれようとしたら、今までのアイデンティティを壊さざるを得なくなり、本来好いてくれていた7,8人は去ってしまうはずです。
しっかり今のファンの意見を聞き、それを改善に生かす。それが、ファンベースマーケティングの根幹です。
さとなおさんからは
- 『共感』
- 『愛着』
- 『信頼』
という三つに分けて施策をご紹介していただいたのですが、その中で『共感』の中の以下の点についてフォーカスします。
ファンであることに自信を持ってもらうことが重要。
先程、友人知人家族の口コミが今求められると書きましたが、これはこれでめちゃくちゃハードルが高いです。
なぜこの商品は人に言いたくならないのか?
それは『ファンと公言する自信が無いこと』が原因です。
日本は以下のようなデータがあります。
我々日本人は、こんなことを言って笑われないか?他の人に間違って勧めて迷惑をかけないか?という不安が常にあるということです。たしかに、当たっていると思いませんか?
そこで日本においては、
- 有識者の声をアクセスしやすく、
- シェアしやすく、
- より自信が持てるようにPRする
ということが重要になります。
無理やりインフルエンサーに言わせても意味が無い。瞬間風速的に盛り上がるだけ。価値観が違う人に言わせても、ファンに響くことはありません。
本当のファンが、友人知人たちに喋ることが大事なのです。
この視点は本当に大事で、当たり前のようですが最近のバズマーケティングに対する最適解を得た気がして、妙にスッキリしました。
バズをやるのなら、ファンを基点にしなければならない。まさに、ファンベースです。
絶対にコントロールしようとしない。
最後に、さとなおさんからはこんな言葉がありました。
- 顧客をコントロールしてなにかしてもらうのではなく、自発的になにかされる、という考えが重要である。
- ターゲット、消費者、囲い込みはNG。『仲間』として捉え、選んでもらう。
ファンベースという考えは、mixiが盛り上がった時にソーシャルコミュニティの構築で一時期取り入れられましたが、その後衰退していた気がします。
しかし今一度考えをアップデートし、しっかり取り組んでいかないと取り残されるという危機感を得ることができました。
あ、もちろん、新規の開拓は当然に大事です。やめてファンベースにしろということではなく、そちらにもしっかり力を入れましょう、ということでした。
それでは、んちゃ。
NPSを上げたいと思うのならば、社員のNPSを上げなければいけないという話。(MarkeZineセミナーより。)
MarkeZineセミナーから学んだ、NPSを上げるための新しい視点。
どうも、fkdです。ちとバタバタしていまして、ご無沙汰していました。(バタバタしていたときのことは別のエントリーで書きます。)
さて、2月21日に行われた定期誌『MarkeZine』読者限定イベントに参加させていただきました。
「顧客エンゲージメントの高め方~ファンを作りコミュニティで広める~」という題で、『よなよなエール』でおなじみヤッホーブルーイングの佐藤団長と『Flying Tiger Copenhagen』でおなじみZebra Japanの柘野さんがコミュニティ―マーケティングのことをお話してくれました。参考になる点が多々ありましたのでブログ再開がてらお話させていただきます。
どうぞどうぞ。
お客さんではなく、「社員」のNPS・熱狂度を測る。
コミュニティーマーケティングはオンライン、オフライン問わず顧客とコミュニケーションをとることで、企業のエンゲージを高め、リテンションを強化していく施策です。その効果を測る指標として「NPS」が使われます。
NPSを簡単に説明すると「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを数値化する指標です。計算は単純で、0から10までの11段階で「友人や知り合いにそのブランド・企業を推奨しますか?」ということを聞いて、
(推奨者数 — 批判者数) / (回答者数) x 100
という数式に当てはめ、どれだけの顧客が会社やブランドを広めてくれるかを確認するというものです。
「NPSを高める」ということを考えたとき、最初に行き着くのはブランドのよさをお客さんにいかに伝えるか、そのためのコンテンツや表現をどうするのか、ということ。
しかしながら、『よさを伝えるには、熱く伝えられる人が多くないといけない』ということを忘れがちです。そこに気づかされる言葉を残したのが、ヤッホーブルーイングの井出社長です。
「社員が熱狂して、はじめてファンの熱狂がうまれる。そしてファンの熱狂に触れて、はじめて社員は心から熱狂できる。」
フライングタイガーの柘野氏は、この言葉を聞いて、まず社員のブランドNPS(熱狂度)を測ることから始めたそうです。
※熱狂度を測るロジックはトライバルメディアさんの以下のフレームワークを活用したそうです。正確に言うとNPSとは違う測り方なのですが、概念は近しいので今回はまとめてしまいます。
ブランドの持続的な利益成長の鍵は、顧客の熱狂度にあり。国内初! 20業界200ブランド『熱狂的推奨者実態調査』結果発表 | ニュース | 株式会社トライバルメディアハウス
熱狂度は計測当初はかなり低く、熱狂度最低段階の社員が2割程度も存在したとのこと。つまり、自社の商品やブランドを誇れないで働いている社員が2割もいたということなのです。これではNPSがあがるわけはありません。
そのため、フェーズを以下のように区切ったコミュニティーマーケティングを実践しているそうです。
- (Phase1)社員熱狂
- (Phase2)顧客熱狂
- (Phase3)共創熱狂
「Phase1 社員熱狂」は昨年から今年にかけて実施、内容は「社員の家族の職業体験」「社員手作りイベント」などを開催。【お客さんはどうしたら喜んでくれるのか】を社員自ら考え、体感することで自社の愛も深まるという好循環を生むことに成功しました。
他にも多数のイベントを開催し、結果的に熱狂度の最低評価は1%以下にまで改善したという、驚きの結果を教えていただきました。結果、ブランドのファンが増え、売り上げ向上にもつながっているようでした。
自社社員が自社のことを熱く語れないのに、他人に熱く語ってもらいたいなんて虫のいい話。
前述の繰り返しになりますが、「NPSを高める」ということを考えたとき、よいブランドメッセージの構築、サービス改善や、拡張ということだけに焦点がいきがちです。
しかし、自社のよさを熱狂的に伝えられる社員が少なければお客さんに熱量が伝わることは無く、NPSの向上はしないというのは至極最もです。しかし、なかなか気づけない視点なのではないでしょうか。
確かに、自社社員が自社のことを熱く語れないのに、他人に熱く語ってもらいたいなんて虫のいい話です。
私が転職してきて思うのは、隠れたいいサービスが自社にはたくさんあるということです。実は低くないポイント還元、お得で便利なサービス、紹介すれば明らかに顧客体験が高まるコンテンツは多数あるので、熱く語って行きたいと思います。
そして、そのサービスは実はすばらしいものであるということを、社員自体が知る努力をする必要があると痛感しました。
会場がSmart NewsイベントスペースだったのでSmart Newsの編集長も出ていたのですが、同じようにこの「社員熱狂」は分析できていないものの売り上げにつながっているのではないか、という知見を述べていました。
社員のNPS・熱狂度を測り高める取り組み、さっそく取り入れていきたいと思います。
それでは、んちゃ。