森永製菓とカゴメが語る、ブランドの原点回帰論(宣伝会議アドタイデイズ2017レビューその3)
ブランドは、原点回帰を忘れている。
これまた宣伝会議アドタイデイズのセッションで興味深い話があったので共有します。第三弾です。以前の記事はこちらから。
宣伝会議アドタイデイズ2017セミナー共有。LOCARIが語るオトナ女子の三つのポイントと、DELISH KITCHENが語る動画制作のコツ。 - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
【若ツイ】ポカリスエットの若年層向けキャンペーン『ポカリガチダンス選手権』に感動した話(宣伝会議アドタイデイズ2017レビューその2) - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
さて、本題。
最近はブランディングをどうするか、という議論が活発に繰り広げられていますが、意外と『新しい生活者に、新しいブランドイメージをもってもらう』ということがゴールになっているのではないでしょうか?
僕も少しそういう節があったのですが、森永製菓でウィダーインゼリーを担当されている佐藤さんと、カゴメの野菜生活を担当されている重友さんのセッション「魅力あるサービスづくりに必要なことは何か?」を聞いて、原点回帰の重要性を再認識させられました。
我ながら、必読の記事だと思います。
ウィダーインゼリーの失敗例。
まず、ウィダーインゼリー佐藤さんのお話。
ウィダーインゼリーは一度大きく売り方を変えたのだが、売上が2割下がった。そこで、原点回帰をしたらうまくいった。
ロングセラーブランドとして、更なる発展のために別の土俵に行ったら、そんなことは新旧ユーザーは求めてなかったという結果が出たという、失敗談を惜しげもなく披露してくれました。本当に失敗談は参考になりますね。
結果的に今までのお客様を捨てて、新しいお客様を取りに行ってしまった。今の顧客を徹底的に大事にすべきだった。
新しいブランドメッセージにするということは、古いメッセージを捨てるということ。
古いメッセージを捨てるということは、既存顧客を捨てることになりかねません。
新しいメッセージは、新しいブランドに任せる。
そして、こんなことも述べています。
思い切ったことをやるのは、新しいブランドや新興勢力がやればいい。
生活者が離れているのは、今のブランドメッセージに共感しているのではなく、今のブランドメッセージすら伝わっていないから。
この視点、お読みになっている方にとっては当たり前かもしれませんが、僕にはとても刺さりました。
せっかく作り上げたイメージを壊してまでやることか?
新しいイメージは高尚なもので、生活者に求められているのでしょうか?
僕はこのセッションを聞いて、今のブランドイメージを今一度伝えることに取り組んでいる今の方向性は、やはり正しいことだと認識しました。
最後に、重友さんはこう述べていました。
ブランドイメージは企業が発信するのではなく、生活者が何と言っているかに尽きる。
これはズシンと刺さりました。
ブランドメッセージを伝えようという考えは捨て、ユーザーが持つブランドイメージを今一度丁寧に語っていきましょう。
ちなみにこのセッション、ある程度ブランドが長く続いていないと刺さらないようで、途中退席が目立ちました。というか、セッションのタイトルがあいまい過ぎてわかりにくかったのかもしれません。。
しかし、内容はとてもすばらしく、よっぽど変なセミナー聞くより得るものが遥かに多かったように思います。
さて、宣伝会議アドタイデイズのまとめは一旦終了です。
引き続き、セミナー参加しましたらまとめます。
それでは、んちゃ。
【若ツイ】ポカリスエットの若年層向けキャンペーン『ポカリガチダンス選手権』に感動した話(宣伝会議アドタイデイズ2017レビューその2)
若者達の熱量、パない。
宣伝会議アドタイデイズ2017の報告第二弾です。
前回の記事はこちらから。
宣伝会議アドタイデイズ2017セミナー共有。LOCARIが語るオトナ女子の三つのポイントと、DELISH KITCHENが語る動画制作のコツ。 - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
今回ご紹介するセッション「デジタルとマスを融合した、イマドキティーンと『まみれる』マーケティング」では、MixChannelの西村さんと電通クリエイティブディレクター真鍋さんが手がけたポカリのキャンペーンの話をしてくれました。
キャンペーン自体は知っていたのですが、よくよく見るととにかく情熱とエネルギーに満ちた若者達の姿があり、ポカリどうのこうのというよりも若者っていいなー、すごい、と思ったので皆さんにセッションの内容を紹介します。
とても刺激になるので、ぜひ読んでください。
ポカリスエットのキャンペーン『ポカリガチダンス選手権』
ポカリガチダンス選手権はポカリスエットCM連動のキャンペーンで、簡単にまとめると
「ポカリガチダンスを真似てMixChannel経由で応募し、入賞するとマスCMに出れるよ」
というもの。期間は半年以上前に開催されたキャンペーンです。
これがポカリガチダンス。
難しすぎて手に負えない。。笑
でも、この難しさこそがキャンペーンのポイントでした。
ミクチャとの連動によって、熱意を引き出した。
ダンスキャンペーンは恋ダンス以来結構流行っているので、目新しさがないかもしれません。
それでもミクチャの遊び心とポカリの親和性が相まって高難度のダンスだからこそ、『600投稿、380万再生』という実績に加え、とんでもないクオリティの作品がUGCコンテンツとして産まれています。
もちろん、裏でここまで狙っていたであろう戦略は秀逸たるもので見事の一言なのですが、熱量をもった高校生のポテンシャルを最大限引き出したのが勝因でしょう。
これは入賞作品を繋ぎ合わせたものですが、繋ぐだけでもこれだけのクオリティ。
なんかこの動画見たら泣けてきてしまいました。 。笑
次に紹介するのは準優勝の動画。
この動画が一番工夫されていつつ、時間も手間もかけていて一番好きです。
ねね、すごくないですか?何回見ても泣けてくる笑
何のために?それは愚問。
「ただポカリガチダンスを踊って投稿する」というシンプルなお題なのに、コマ割り、演出、衣装、背景などなど、自分たちでどうしたら目立つかを考えて、それを手間を惜しまず準備して撮って編集する。
ただクオリティを追求するため、友達といいものを作るため、それをたくさんの人に見てもらい褒めてもらうためー。
なんか、若い時に学祭で頑張って作り上げていた時のことを思い出しました。何のために頑張るのか、そんなことは愚問。
真鍋さんも、自動拡散性と、クリエイティブのクオリティが正直想像のはるか上をいっていたと述べています。
キャンペーン成功の裏として。
もちろん、企業のキャンペーンとして成功させるための裏の努力は計り知れません。
詳細はこちらの記事にありますのでこの記事では割愛しますが、
真鍋さんはこのセッションで成功のポイントをこう教えてくれました。(一言一句一緒ではなくニュアンスです。)
『若者向け若者向けと、いまはどの企業も言いますが、それだけでは曖昧で何もできません。
あえて投稿のチャネルをミクチャ内に絞り、更にお題の出し方をミクチャの文化に徹底的に合わせることで、
- 熱量の高い、かつリテラシーの高いユーザーに対してのみアプローチした。
- ただアプローチするのではなく、企業感を抑え嫌悪感を抱かせないようにした。
- 面白い、自分もやりたいと思わせ投稿を促した。
ということに成功しました。』
これは本当に参考になりますね。あえて絞る大事さ。
あと、自分自身で徹底的にミクチャを使い、文化を体感した上で施策を考えたとのこと。それがミクチャのポテンシャルを最大限引き出せた要因だろうと本人もおっしゃってました。
ミクチャがうちの会社が訴求したいユーザーに伝わるかどうかはわからないです。
そしたら別の媒体でやろうとは考えてますが、やる時はしっかりその媒体の文化を感じようと思います。
マーケットインからの脱却。
あと、ターゲットありきのマーケットイン発想だと何も産まれないですよね。視野を広く持とうと思いました。
ミクチャは13~18歳の女の子が大半です。クレジットカードなんて全然関係ない年齢なので、マーケットインの発想だとそもそもミクチャなんて問題外になります。
しかし、本当に届けたいメッセージは信頼感や安心感。若い女の子のgrooveから、世の中に伝えられることはあるような気がします。
それくらい、若者の熱量は凄いし、素晴らしい。
いつの時代も、若者はすごい。
なんか『今どきの若者は』とか言いたくなってくる年頃ですが、なんか自分たちの時代よりポテンシャルはずっと高いような気がします。
そのポテンシャルを見せられる場を、気分を害さないように提供するだけでも、エクスペリエンスの場として提供するだけでも、マーケティングとしては充分なんだろうなぁと大きなヒントを得たセミナーでした。
それでは、んちゃ。
プリキュアアラモードの『キャンディロッド』を100均グッズで手作りした件。
またプリキュアアラモードグッズを作ってみた。
前回のスイーツパクトに続き、今度はキャンディロッドを作ってみました。
プリキュアアラモードの『スイーツパクト』は、ダイソー(百均)の材料で簡単に手作りできる件 - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
プリキュアってのは定期的に新しいアイテムが出てくるので、スグに前のアイテムは古くなるのと、買うのはバカらしいくらい高いのです。。
ということで、作ってみました。
完成品はこちら。
材料は100均限定で、作り込みもそこそこな割にはかわいいですよ。
もちろん、クルクル回ります。娘もかなり気に入ったようで、クルクル回してます。
作りたい方がいるかどうかはさておき、笑 材料と作り方を載せておきます。
材料はこちら。
材料は、以下のとおりです。
- 傘(ダイソー)
- 光るバトン(セリア)
- リボンの髪留め(お好きなやつ)
- 白とピンクのフェルト(ダイソー)
- クルクル部分に入れる星やフェルト(ダイソー)
- デコレーション用の生クリーム風のやつ(ダイソー)
- 星のシール(ダイソー)
- クルクル部分はガチャガチャのケース(透明なものでその辺から拝借)
全部で800円くらいです。
作り方はこちら。
今回はかなりシンプルで、1時間くらいでできました。
1.傘を折って丁度いい長さにする。ダイソーの傘は良くも悪くもフレームが柔らかいので手でもすぐ壊せます。長さはこれくらい。
2.ガチャガチャの上下を傘のフレームの太さから「ほんのちょっとだけ」大きいくらいに切り抜く。カッターでもできます。
穴が大きすぎても小さすぎてもだめです。クルクル回りません。かなり慎重にやってください。
傘に差し込む前に、ガチャガチャの中に星とかフェルトとか入れておきます。
3.傘に両面テープを貼り、光るバトンを入れます。これが奇跡のシンデレラフィットなのです!フレームがほっそい、ダイソーの傘じゃないとだめです。
光るバトンは少し長さが長いので、折った傘のフレームの長さにカッターで切り取りましょう。また、傘のフレームを折った時に先が潰れがちなので、そしたらトンカチとかで叩くとすぐ潰れますよ。
4.傘のフレームが出ている部分や、持ち手にフェルトを巻き巻きしたり、リボンをつけて、かわいくデコレーションしてできあがり!
今回は時間を余りかけず、本当に簡単に作りました。お好みで色々工夫してみても面白いと思います。僕ももう少し改造する予定です。
ちなみに、三つ目の作品で、ちょっと揃ってきました。笑 (持ち手は改造前。)
それでは、んちゃ。
宣伝会議アドタイデイズ2017セミナー共有。LOCARIが語るオトナ女子の三つのポイントと、DELISH KITCHENが語る動画制作のコツ。
宣伝会議アドタイデイズ2017に参加してきました。
Web担当フォーラムミーティングに引き続き「宣伝会議アドタイデイズ2017」に参加してきました。
トップページ 宣伝会議 AdverTimes Days 2017(アドタイ・デイズ)
Adobeのフォーラムも先日あったので、ここ最近大きめのカンファレンス続いてますね。
こういったセミナーに参加すると(最近はセミナーの内容が営業だったり、マーケティングとは程遠い出展があったりと正直当たり外れが激しいのですが。。)、何個かは新しい情報や潮流が入ってくるので、今回も行きました。
面白かった内容をまとめますので、行けなかった方は使えるところ使ってください。
前半はLOCARIさんのオトナ女子についての話、後半にDELISH KITCHENさんの動画制作のコツについての話を書いてます。
LOCARIが分析する『オトナ女子』って?
みなさんご存知かと思いますが、オトナ女子が利用するキュレーションメディア『LOCARI』。
実際の利用ユーザー分析を博報堂、ディグラムの方と行ったユーザー調査の結果をLOCARI木村さんが惜しげもなく公開してくれました。まじ参考になりました。
なお、LOCARIの基本として「1PVの価値をあげるために価値観ごとにセグメンテーションし、そのセグメントに合わせた記事を作る」というコンセプトのもと、ユーザー分析を徹底的に行っているとのこと。このコンセプトもすばらしいですよね。
オトナ女子の3つのポイント
さて本題。オトナ女子とは、20代後半から30代の女性を指します。
木村さんは、調査して見えてきたオトナ女子に共通するポイントとして、以下の3つを挙げていました。この3つのポイントがなかなか痛烈。。
1.いろんな私を作ることで『逃げ道』を作っておきたい
オトナ女子は「複数の人生プラン」を用意しておく。
- 子どもができてもすぐに復職できるようにスキルアップをしておく。(働き口の確保)
- 仕事を増やしすぎないようにセーブしておく。(プライベートの確保)
- でも仕事は一生懸命頑張り、キャリアを形成しておく。(キャリアの確保)
といった感じで、リスクになりそうな場合逃げ道をあらかじめ排除しておきつつ、軸をしっかり作っておくようです。賢い。
2.『女子力』という言葉に違和感を感じている
オトナ女子は『女子』という一つに括られたくない。女性というより、個として認められたい。
『女性としてどうなりたい?』はNGワード。
なので、彼に認められるためのコツ、といった記事は全く受け入れられないとのこと。
独立性を重んじるようですね。
3.遠くのビジョンより近くの幸せを求める
こんな時代だから、5,10年後が描けない。
理想の女子像はなく、近くの人にちょっと褒められたい。
毎日楽しく、幸せに生きていくことが大近々のリスクを排除して、小股で地に足をつけて生きることが大事。これまた賢い。
この3つを聞いて僕は、
- 独立していて(個を追求していて)、
- 論理的にしようとしてて、
- しっかりしようとしてて、
- 楽しもうとしてて、
- 考えすぎるくらい考えている
というイメージをうけました。
もちろん、全部当てはまる女性はほとんどいないかもしれませんが、1個は当てはまるという方は多いのではないでしょうか。
僕はオトナ女子と年齢が同じで、楽しみたいし、でも地に足はつけたいという思いはすごく共感できます。
20,30代をFなんとかという一つのセグメントとして捉えるのは到底無理で、LOCARIのセグメンテーションアプローチは間違いなく正しいと感じました。
オトナ女子のセグメンテーション
LOCARIでは、更に細かくオトナ女子を12パターンに分類しています。今回はそのうちの4つを公開していましたので紹介します。
1.『〇〇ちゃんママ』
国産大好き、普通バンザイ。保守的で型にハマりたい。とにかく優しく、子ども中心。責任感が強く、人の喜びが自分の喜び。
しかし裏では人は人と割り切り、コツコツ努力する『隠れアルピニスト』タイプ。
2.『アネゴ系マザー』
最近増えている、子持ち有職の女性。効率一番、実利主義。同性から好かれたいとかは無く、悩んでいるより改善していきたい。
しかし裏では寂しがり屋で、やっぱり〇〇さんがいなきゃと言われたい『ソフトなあたりめ』キャラ。
3.『モテよりウケ、世渡り上手なちゃっかりさん』
層としてはマジョリティ。論理性が低いが、自分として一本すじは通しておきたい。女子力だけではなく自分力も磨きたいが具体的に何をしたらいいかわからないので、選択肢を出してほしい。
『ゆる硬アルデンテ』で、〇〇さんが褒めていたよ!と褒めて欲しい。
4.『全てを手にいれたインスタママ』
結婚して子持ちの専業。こども最重要ながら、個人として認められたい意識が高い。センスのある生き方をしたい。子供を通して自分が褒められたい。
残りの8分類はまた別途公開するとのこと。うーん、面白い。早く知りたい。
『妻としての自分』は全く重要視されていない。
セグメンテーションがあまりにも明確過ぎて驚きました。
あと、「自分、子ども、妻、仕事」のうち何を一番重要視しているか?という質問を合わせてしたところ、『妻としての自分』と答える率が最近は極端に減っているとのこと(全体の10%以下)。
自分や子どものことを重要視している方が大半のようです。しかし、妻としての自分を重要視している女性が人生の満足度が高いというデータが出ていることも注目で、本当の幸せとはなんだろう、という疑問が少し投げかけられている点も注目でした。
ちなみに僕は同じ質問をされたら妻を重視していると答えますが、妻は子どもと答えるような気がします。嗚呼、悲しきかなオトナ男子。笑
オトナ女子のことが少しだけわかった、非常に参考になるセッションでした。
DELISH KITCHENの動画制作のコツ
次に紹介するのは、クックパッドの座を脅かすまでに成長した料理動画メディアのDELISH KITCHENを運営するエブリーによる、動画の意義や作り方のコツについてのセッション。
まず、WEB動画は単純な認知の為ではなく、以下の3つの視点で制作する必要があるとのこと。
- 広告好感度をあげる
- 広告認知度を高める
- 態度変容効果を高める
1ばかりがKPIになりがちですが、1を追うにはむしろ2,3が重要であり、出来てないとうまくいかないということをお話していました。
少し噛み砕いてみます。
2.広告認知度を高めるためには
広告を見たことがあるという認知度を高めるためには、『視聴維持率』をいかに高めるかが重要とのこと。
15秒以上見せると50%以上の視聴者で広告を認知すると回答。これは、テレビCMだと20回分のフリクエンシーが必要なため、圧倒的な効果と言えますよね。
- 音無しでわかるようにする
- 結果を先に見せ、5秒以上見させる
- 縦横比率を最適化する
というクリエイティブの最適化はマストで実施しつつ、デリッシュではこだわり要素を何個か決めて作っているようでした。
3.態度変容効果を高めるために
やはり、Web動画の最終的な目標は態度変容し、できれば購入までさせたいところ。そのためには、以下の3点が必要とのこと。
- 共感、自分ごと化(そもそも自分にとって必要か?)
- 身近さ、リアルさ(誰でもわかる、実際に出来る)
- 実践できる、自慢できる(やるといいことがある、カットしない)
上記は当たり前のように感じますが、改めて文字化してみるとしっかりと出来ていないことを実感します。
認知度アップのための視聴時間延長と、態度変容効果をアンケートなどで測る。これを忘れずに動画を作ろうと思います。
新しい発見があるわけではないですが、勝者の哲学が見える良セッションだと思います。
別のセッションはまた書きます。
あと、MixChannelのdonutsさんのセミナーも大変参考になったのですが、これは「若ツイ」として別途書きました。セッションの中身もさることながら、若者のエネルギーに普通に感動してしまいました。
【若ツイ】ポカリスエットの若年層向けキャンペーン『ポカリガチダンス選手権』に感動した話(宣伝会議アドタイデイズ2017レビューその2) - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
あと、森永製菓、カゴメのブランディングに関するセッションも参考となりましたので別途書きます。
それでは、んちゃ。
Web担当者Forum2017春 LION内田さんのコンテンツマーケセミナーが面白かったので共有。
Web担セミナー参加してきました。
4月20日(木)に開催された「Web担当者Forum ミーティング 2017 春」。
正直、こういうカンファレンス系は最近質が落ちてきているのであまり期待していなかったのですが、基調講演のLION内田さんの話が非常に面白かったので今回共有させていただきます。
【ライオンWeb担当ガールが語る「オウンドメディアとブランドサイトの決定的な違い」
ライオン株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケーション推進室 内田 佳奈 氏】
の内容をまとめたものになります。
基本的に撮影NGのセッションだったので私のまとめだけになってしまいますが、要点をかいつまんで書きました。
- オウンドメディアとブランドサイトの役割分担について
- オウンドメディアの指標
- コンテンツ制作時のポリシー
という3分類でまとめてみました。どうぞどうぞどうぞ。
1.オウンドメディアとブランドサイトの役割分担について
一つ目のテーマはオウンドメディアとブランドサイトの役割分担という、一番重要だけど間違いがちなテーマです。
まず、内田さんは以下のようにまとめています。
オウンドメディアの役割は、
①ロイヤリティの向上
②生活者インサイトのデータ蓄積ブランドコンテンツの役割は、
①商品理解、商品と顧客の接点の創出
②商品周辺のデータ蓄積上記を混ぜてしまってはいけない。(混ぜがち)
これを言い換えると、
オウンドメディアでは「コト」軸の情報(なぜ必要なのか?使うとどんないいことが待っているのか?)
ブランドサイトでは「モノ」軸の情報と、「モノ周辺のコト」情報(この商品でよいということの確信を持たせる)
ということ。
あくまでオウンドメディアはいきなり商品に落とすのではなく、ブランドを間接的に好きになってもらう目的をメインにする必要があります。
当たり前の話に聞こえるかもしれません。しかし、こういう明確ながらも曖昧な棲み分けをきれいに整理しているという印象です。
また、データの収集をあえて明文化しているところも注目です。これは後で書きます。
2.オウンドメディアの指標
次に、オウンドメディアのKPIについてです。
直接的なコンバージョンはもちろん重要だが、それだけでは成り立たない。
平均PV数、滞在時間、商品詳細への誘導数、指名検索の増加を新たに指標に設けるべき。
これらは実際に売り上げに貢献するアクション指標として定義できるということが、LIONの分析結果で明らかになっている。
間接的な貢献があることをしっかり認識したうえでKPI設計する必要があります。
直接CVだけをおいかけると、例えば会員数がKPIだったとき、会員獲得のためのCPを実施し、結局質の悪い会員を獲得してしまうといった矛盾が発生してしまいます。
ここは理想論ではそうであると言わざるを得ませんが、結局立ち上げのときに決裁を取るためにはいかに獲得・売り上げにつなげるかもお題としてあがってきます。
なので、社内の理解がなく投資が限られるケースや、スタートアップでは個人的には以下の記事のような進め方がいいと考えています。
ただ、1の中身にも入っている次の話は非常に参考になるというか、僕が抜け落ちてしまっていた視点なので必ず取り入れようと思ったところです。
オウンドメディアで集まったデータはマーケティング的に非常に有益である。
潜在層の検索キーワード、同時閲覧コンテンツ、デモグラフィックがわかるので、カスタマージャーニー作成にも役立てることができる。
読み物に来た人をデータベース化し、コト軸のマーケティングを考えるときの材料にするというのは非常にすばらしいですよね。
コンテンツマーケのKPIはこれにプラスして、ブランドラブへの貢献やNPSなどで数値化していくのがベストです。
3.コンテンツ制作時のポリシー
三つ目に、コンテンツ制作のときのポリシーについてこう述べていました。
・伝えるべきこと、伝えたいこと、それらの需要があるか、この三つが必要。
- 伝えるべきこと→企業として伝えるべき商品の機能や役割。
- 伝えたいこと →ターゲット(生活者)が得られるメリット。専門家が語るなど、語り手が重要。
- 需要→検索ボリュームがあるか、PVがあるか。作っても需要が無ければ意味がない。
2の「語り手が重要」という視点は非常に大事だと思いました。
今は何が書いてるかより、誰が語っているかということが重要になってきている時代で、SEOでもオーサー、オーソリティ(権威性)という概念がまた見直されています。
これに追加して、
・記事が生活者視点であるか、信頼性があるかを徹底的に追及すべき。
- 本当にその情報は生活者が求めているのか?現実にその内容はあり得るのか?
- プロとして信頼性のある情報になっているのか?
という視点も忘れてはいけないという話でした。これは当然ですが大事。
そして、次も興味深い話。
割とブランドとしての発信は受け入れられる。
キレイキレイでは「バイ菌とたたかうプロジェクト」という、企業として取り組んでいることをブランド文脈で発信してもかなり受け入れられた。
一般の方の声を載せて届けたのが成功したポイント。
これ驚きですが、上記のとおり語り手重視の文化になってきているので当然と言えば当然かもしれません。
当社でも試していきたいと思います。
コンテンツは生活者が完成させる。
上記のとおり、抽象的な概念から具体的な事例まで満載のセミナーで、LIONさんの宣伝活動は本当にすばらしいと思いました。
最後に「コンテンツは生活者が完成させるべき」という話を引用させていただいて終わります。
3月のライオンとコラボしたキャンペーンが大成功をしていますが、それは以下の考えのもと実施したとのこと。
・生活者は自分で情報をピックアップしたい。
・自分と同じ立場の人が語っている/作っている方が響く。
なので、盛り上げるには以下のような生活者がコンテンツを完成させる仕組みが必須。
- ファンとの共感(ブランドメッセージと作品のメッセージがマッチしている。)
- ファンと共創(コンクールなど、一緒にコンテンツを作り上げる。)
- デジタルの活用(熱量の高いユーザーを狙い、ソーシャルを活用する。)
究極のコンテンツは一方方向から発信するのではなく、お互いで作り合うことが必要という話です。
これは最もで、インフルエンサーなんてバズワードで誤解されている風潮への最適解なのではないかと提起して、終わります。
それでは、んちゃ。