Web担当者Forum2017春 LION内田さんのコンテンツマーケセミナーが面白かったので共有。
Web担セミナー参加してきました。
4月20日(木)に開催された「Web担当者Forum ミーティング 2017 春」。
正直、こういうカンファレンス系は最近質が落ちてきているのであまり期待していなかったのですが、基調講演のLION内田さんの話が非常に面白かったので今回共有させていただきます。
【ライオンWeb担当ガールが語る「オウンドメディアとブランドサイトの決定的な違い」
ライオン株式会社 宣伝部 デジタルコミュニケーション推進室 内田 佳奈 氏】
の内容をまとめたものになります。
基本的に撮影NGのセッションだったので私のまとめだけになってしまいますが、要点をかいつまんで書きました。
- オウンドメディアとブランドサイトの役割分担について
- オウンドメディアの指標
- コンテンツ制作時のポリシー
という3分類でまとめてみました。どうぞどうぞどうぞ。
1.オウンドメディアとブランドサイトの役割分担について
一つ目のテーマはオウンドメディアとブランドサイトの役割分担という、一番重要だけど間違いがちなテーマです。
まず、内田さんは以下のようにまとめています。
オウンドメディアの役割は、
①ロイヤリティの向上
②生活者インサイトのデータ蓄積ブランドコンテンツの役割は、
①商品理解、商品と顧客の接点の創出
②商品周辺のデータ蓄積上記を混ぜてしまってはいけない。(混ぜがち)
これを言い換えると、
オウンドメディアでは「コト」軸の情報(なぜ必要なのか?使うとどんないいことが待っているのか?)
ブランドサイトでは「モノ」軸の情報と、「モノ周辺のコト」情報(この商品でよいということの確信を持たせる)
ということ。
あくまでオウンドメディアはいきなり商品に落とすのではなく、ブランドを間接的に好きになってもらう目的をメインにする必要があります。
当たり前の話に聞こえるかもしれません。しかし、こういう明確ながらも曖昧な棲み分けをきれいに整理しているという印象です。
また、データの収集をあえて明文化しているところも注目です。これは後で書きます。
2.オウンドメディアの指標
次に、オウンドメディアのKPIについてです。
直接的なコンバージョンはもちろん重要だが、それだけでは成り立たない。
平均PV数、滞在時間、商品詳細への誘導数、指名検索の増加を新たに指標に設けるべき。
これらは実際に売り上げに貢献するアクション指標として定義できるということが、LIONの分析結果で明らかになっている。
間接的な貢献があることをしっかり認識したうえでKPI設計する必要があります。
直接CVだけをおいかけると、例えば会員数がKPIだったとき、会員獲得のためのCPを実施し、結局質の悪い会員を獲得してしまうといった矛盾が発生してしまいます。
ここは理想論ではそうであると言わざるを得ませんが、結局立ち上げのときに決裁を取るためにはいかに獲得・売り上げにつなげるかもお題としてあがってきます。
なので、社内の理解がなく投資が限られるケースや、スタートアップでは個人的には以下の記事のような進め方がいいと考えています。
ただ、1の中身にも入っている次の話は非常に参考になるというか、僕が抜け落ちてしまっていた視点なので必ず取り入れようと思ったところです。
オウンドメディアで集まったデータはマーケティング的に非常に有益である。
潜在層の検索キーワード、同時閲覧コンテンツ、デモグラフィックがわかるので、カスタマージャーニー作成にも役立てることができる。
読み物に来た人をデータベース化し、コト軸のマーケティングを考えるときの材料にするというのは非常にすばらしいですよね。
コンテンツマーケのKPIはこれにプラスして、ブランドラブへの貢献やNPSなどで数値化していくのがベストです。
3.コンテンツ制作時のポリシー
三つ目に、コンテンツ制作のときのポリシーについてこう述べていました。
・伝えるべきこと、伝えたいこと、それらの需要があるか、この三つが必要。
- 伝えるべきこと→企業として伝えるべき商品の機能や役割。
- 伝えたいこと →ターゲット(生活者)が得られるメリット。専門家が語るなど、語り手が重要。
- 需要→検索ボリュームがあるか、PVがあるか。作っても需要が無ければ意味がない。
2の「語り手が重要」という視点は非常に大事だと思いました。
今は何が書いてるかより、誰が語っているかということが重要になってきている時代で、SEOでもオーサー、オーソリティ(権威性)という概念がまた見直されています。
これに追加して、
・記事が生活者視点であるか、信頼性があるかを徹底的に追及すべき。
- 本当にその情報は生活者が求めているのか?現実にその内容はあり得るのか?
- プロとして信頼性のある情報になっているのか?
という視点も忘れてはいけないという話でした。これは当然ですが大事。
そして、次も興味深い話。
割とブランドとしての発信は受け入れられる。
キレイキレイでは「バイ菌とたたかうプロジェクト」という、企業として取り組んでいることをブランド文脈で発信してもかなり受け入れられた。
一般の方の声を載せて届けたのが成功したポイント。
これ驚きですが、上記のとおり語り手重視の文化になってきているので当然と言えば当然かもしれません。
当社でも試していきたいと思います。
コンテンツは生活者が完成させる。
上記のとおり、抽象的な概念から具体的な事例まで満載のセミナーで、LIONさんの宣伝活動は本当にすばらしいと思いました。
最後に「コンテンツは生活者が完成させるべき」という話を引用させていただいて終わります。
3月のライオンとコラボしたキャンペーンが大成功をしていますが、それは以下の考えのもと実施したとのこと。
・生活者は自分で情報をピックアップしたい。
・自分と同じ立場の人が語っている/作っている方が響く。
なので、盛り上げるには以下のような生活者がコンテンツを完成させる仕組みが必須。
- ファンとの共感(ブランドメッセージと作品のメッセージがマッチしている。)
- ファンと共創(コンクールなど、一緒にコンテンツを作り上げる。)
- デジタルの活用(熱量の高いユーザーを狙い、ソーシャルを活用する。)
究極のコンテンツは一方方向から発信するのではなく、お互いで作り合うことが必要という話です。
これは最もで、インフルエンサーなんてバズワードで誤解されている風潮への最適解なのではないかと提起して、終わります。
それでは、んちゃ。