マーケティングアジェンダ2018で学んだ『事業主のマーケターとして必要な3つのスタンス』
マーケティングアジェンダに参加してきました。
どうも、fkdです。
5月9日から12日まで、沖縄にて『マーケティングアジェンダ』という名だたる企業のマーケターが集まるイベントに参加させていただきました。
非常に濃密な4日間で、自分のマーケターとしてのレベルの(低さの)確認と目指すべき方向が明確になった素晴らしいイベントでした。
この熱量の高さはご理解いただきにくいのですが、まあ今まで体験したことのない尋常じゃないマーケティング漬けの日々でした。
補足︰マーケティングアジェンダのざっくりとした内容。
簡単にマーケティングアジェンダについて説明しておきますと、ブランドサミットから派生したナノベーションさんが開催している3日間のマーケターイベントで、
- キーノート
- パートナー(ベンダー)プレゼンテーション
- ネットワーキング
という3つの要素で成り立っています。
マーケティングの約束事やミッションを再確認できる超豪華なキーノート。
毎日深夜まで続き、トイレに並んでいるときですら名刺交換をする程のネットワーキング。
ベンダー・パートナーからの最新事例や技術のプレゼンテーションなどなど。
ブランド側は参加には厳しい審査があり、パートナーは決して安くはない金額を支払い、著名なマーケターたちがわざわざ沖縄に集まってマーケティングのことだけを考えるこのイベント。名実ともにマーケティングイベントの最高峰であると思います。
最終日の振り返りセッションから得た、事業主マーケターとしての3つのスタンス。
さて、2、3回に分けてマーケティングアジェンダの内容をまとめますが、今回は最後のセッションの内容をご紹介させてください。
会の最後のセッションは「振り返りのラップアップセッション」だったのですが、3日間のことがこのラップアップに全て詰まっていました。
正確には、会を通じて言われ続けたことが最後にようやく僕自身整理出来た、というのが正解かもしれませんが。
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『ラップアップセッション』
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という、そうそうたるマーケターによるセッションを、事業主マーケターに必要な3つのスタンスと題して、超訳させていただきました。
発言者の意図と違うところはあるかもしれませんが、受け取り方は人次第ということで。
あと、ベンダーや代理店の方にも参考になる内容だと思いますので、ぜひご覧下さい。
どうぞどうぞ。
(1)『全員レビューによるラーニングと、全員参加によるビジョンクリエイティブの重要さ』
1つ目は『全員参加の重要性』。全員というのは、
- 事業主の担当、
- 役員、
- ベンダー、
- 広告代理店、
- メディア、
などなど含めたプロジェクトに携わる全員です。
施策一つ一つの個別レビューを散発するのではなく、「改善活動自体の継続性」が必要。
キャンペーンは代理店もメンバーも全員でレビューするのがコツ。みんなでラーニングし、喜びや悔しさを分かち合う。(足立さん)
週1回、パートナーや代理店を含めてミーティングし、月1回社長と全員でミーティングしてラーニングしている。社長の言葉もフィルター無しに全員に浸透させる。
信頼を積み上げることが大事。いきなりジャンプしないので、とにかく積み上げる。(田中さん)
こちら、足立さん、田中さんの答えは別の質問の答えだったのですが、両巨匠が同じ内容を話していたのが非常に印象的でした。
私もベンダーさん、代理店さんと一つのチームとして考え勉強会を開くようにしているのですが、全ての結果の報告まではできてませんでした。そういう意味で、ラーニングは半分以下しかできてなかったです。
また、足立さんは「ひとつの施策で20%上がった、という内容は必要ない。継続性や組織の体制というほうが大事」と繰り返しおっしゃっていたのも印象的というか、耳が痛い方が多かったのではないでしょうか。苦笑
そして、この全員参加によるレビューというプロセスは、次の話にもつながります。
『ビジョンクリエイティブ』。その案件をやったあと、家族や友達が、世の中が、どんな風に変化するかをとにかく全員で妄想する。
それもモノクロではなく、カラーで具体化するまで映像化し、その映像がパートナーや代理店を含めて『全員』で共有できると成功できる。共有できないと失敗する。
そして、そうした日々の議論の積み重ねの最後にアイデアのジャンプがある。(田中さん)
全員でレビューするだけでなく、全員でビジョンも作る。それも徹底的に。
- 独立した施策ではだめ。
- 企業、ベンダーが独立して考えてもだめ。
全員が我が事として考えられる土壌を企業が作り、全員で実施することがマーケティングの基本であると実感しました。
マーケティングアジェンダでも『鬼退治をするためのさるきじ犬探し』が最も重要な要素と一貫して言われてましたが、この話で合点がいきました。
1人では考えられることはたかが知れているのです。ベンダーや代理店に、一部の結果しか共有してないことはありませんか?本当の狙いを伝えられるような仲間ですか?ビジョンはみんなで描けていますか?意外とできていない、あえてしていない事業主が多い気がしますが、百害あって一利なしです。私も含めてですが、改めましょう。
(2)『競合・他社実績は見ない。イノベーションが産まれなくなる。』
続いては、実績や競合に対する考え。これも目からウロコでした。
王様ゲームが合コンの必勝法で無くなるように、今日の必勝法は明日の必勝法ではない。
去年やったことや競合でやったことは同じことをやることと同じなので、本能で安心するからと言ってやるべきではない。10球に1球はあたるとおもって、否定しないでチャレンジすること。
上司に去年の成功や競合の事例を聞かれることが多いが、これこそが王様ゲームが古くなっているのに固執しているのと同じ状態。
ちゃんと『それはもう通用しないから新しいことに挑戦することが大事』と伝えることが必要(富永さん)
うちもそうなんですが、事業主はレガシーであればあるほど、やたら実績を求めがち。実績があるというのは本能が求める『安心材料』になることには間違いないですが、既にやっていることを真似するということの証明です。
二番煎じは旨みが少なくなるもの。リスクマネジメントの観点からは正しいのかも知れませんが、『効果は当然1番目よりぐっと下がること』や『2回目も当たるとは限らない』もリスクと捕えることを忘れがちですよね。
考えそのものを一新するとともに、上へ役職者への啓蒙をやっていかなければと思います。そして、上の立場の方は怖がらずに取り組むことを承認して欲しいです。
まずは競合分析や実績を求めることを最小限にすることから始めましょう。そもそも、自信があるのに事例とか実績とかがないと進めないなんて、格好悪いというか本末転倒ですよね。自信があったら、リスクマネジメントはしつつやったりましょう。
(3)『エクストリームの追求』
最後に、面白さの追求の話。
感情にひっかかるようにしないといけない。だから基本的にエクストリームに振り切るようにしている。これだけ情報が多いと、心のどこかにひっかからないと記憶に残らない。
小さなアイデアでも、リスクやコストが低ければとにかくやってみる(富永さん、足立さん)
リスクやコストが少なければ、というところがやはりマーケターとしては当たり前に必須ですが、
このエクストリームの追求というのは僕の場合は、『More fun!!More amazing!!!』という理念に込めていますが、徹底しようと改めて思いました。
感情にひっかからないと、ブランドが生活者の意思決定に影響を及ぼすことはまず無いんですよね。ベネフィット訴求も然り。
気がついたら最後にはめっちゃ小さくまとまってしまい何の面白みもないキャンペーンになっている、なんてことはうちではよくあるのですが、 これはエクストリームに恐怖を抱いてしまい知らず知らずのうちに怖くない方へ誘導してしまうからです。あと、怖くないほうが面倒くさくないんですよね。。
足立さんは『会社の金で色々試せる。失敗しても最悪クビになるだけ。』とおっしゃってましたけど、「エクストリームせず何のインパクトも残せない方がよっぽど恐怖でつまらない」とマーケターや、意思決定者は考えるべきです。だって、無関心ほど怖いものはないですから。
自分の仕事辞書をアップデートせよ。
最後に、富永さんの締めが心に残ったのでご紹介します。
こういうイベントを通じて、自分にとっての気づきを得て、自分の中でのマーケティング仕事辞書が書き換わるきっかけを得た。(富永さん)
この辞書の書き換えという表現がとても好きなのですが、ただセミナーやイベントに参加するのではなく、トップマーケターでさえ日々自分の辞書をアップデートしています。ちなみに富永さんは、今回バージョン2.1からバージョン2.4に一気にアップデートするとのこと。笑
一緒にいった上司も『大事なのはとにかくアウトプットすることだなぁ』と言っていましたが、インプットをまず自分の辞書アップデートにアウトプットすることは最低限の作業です。インプットだけなら誰でもできる。しかし意味がない。
僕もマーケティングアジェンダで辞書のすごい量の書き換えに成功しました。バージョン0.3から0.7くらい?笑
次回、別のセッションまとめに続きます。
#5/17、第2弾公開しました。
マーケティングアジェンダ2018 まとめその2。ブランディングは意味を創り、パーセプションを変えること。 - FKDのWEBマーケティングをツラツラ(マケツラ)
それでは、んちゃ。