CXにおける、サイレントマジョリティーの重要さについて。
CXという言葉が、狭義に使われている気がするのよ。
CX、すなわちカスタマーエクスペリエンス。顧客体験の向上。
とかく、顧客接点における「おもてなし」や、One to Oneマーケティングや、
不満の解決といった言葉に結局置き換わる。
どれも間違ってはいないのだけど全部「接点を持った後」にとかく焦点が当てられがちで、そこにいつも違和感を感じている。
接点を持つ前のCXって全然なくて、「ブランドを想起してもらう」とか激ムズなことが、あっさり書いてある。自己アピールや、プロモーションありきな発想がいかんせん存在すらしていない。
で、タイトルにつながる。
結局接点を持った後の顧客の声や行動(ノイジー・マイノリティーかノイジーマジョリティー)を分析しがちだが、
肝心のほぼ大半を占める「ブランドに接点を持っていないサイレントマジョリティー(サイマジョ)」にマーケティングすることがガン無視されているということを言いたい。
サイマジョの重要性を改めてまとめてみる。
もともとブランド価値が高く勝手に食いついてくれればやる必要は無いのだが、そんなのはほぼすべての企業が無いといってもいい。何も語らぬ人々は、みんな多数決の論理で同じ印象に行き着いてしまう。これが怖い。その流れ自体を変える試みが必要なのだ。
サイマジョを無視すると、そもそも接点自体がもたれなくなる。さらには、接点を持った時点でもCXがマイナスからはじまったりする。
サイマジョたちはいまどんな印象を抱いているのか。何も印象を抱いていないのか。
じゃあその人たちに、どこで、どんなことを言ったらいいのか。
それって、CXのスタートとしてまずブランドに何を思わせるのかってことだと思う。
「いいところはいい」ときちんと訴求するプロモーションをしないといけない。なんかふわっとよくわからないことを言ってますな。で終わってしまう。
まとめると、サイマジョは無視しちゃいけないし、しかるべきプロモーションをしないといけない重要な存在。
サイマジョには、想起率やブランドリフトやView Through Search。
しかしながら、サイマジョに届けるようなブランド系のWEB広告は獲得につながらんとか、無駄金だとかよく言われる。
ここで、CXを広義で捉え、サイマジョにどれだけ伝わったのかをKPIに入れる。想起率とか、検索行動への貢献とか、ブランドリフトを聞ければ一番いい。
結局、獲得も増えているとは思うのだが、それを立証するのは困難。
そこは上記KPIが貢献していると割り切って、もしくはブランドラブが高まると当然に獲得にも紐づくといった別調査を絡めて無理矢理にでも方程式を作ればよい。
サイレントマジョリティーへ届けるには。
KPIをきちんときめても、最後はコンテンツの力がとにかく大事になる。
拡散のための瞬間風速的なコンテンツではなく、熱意と意志を持った、それでいて押し付けがましくないコンテンツ。結果拡散する、というのが正しい。
サントリーの採用ページなんて素敵だ。
企業メッセージをとんでもなくうまく伝えている。
うちの会社の場合はどうだろうか。サイレントマジョリティーに対する対応が圧倒的に遅れている。CXという言葉は、既に顧客になっている人だけにしか向けられていない。
一生懸命One to Oneとかやってるけど、やってることが全く伝わってない。それじゃダメに決まってる。
私はここにいるよ、という主張。
クレジットカードのポイント重視な文化に一石を投じたい。
他社ではできない魅力を伝えたい。じゃあ、伝えなきゃ。
昔、元ジュビロのゴン中山さんが「生まれたからには自己主張しなきゃ」的なことを言っていたのだが、まさにこれだ。主張しなさ過ぎ。主張しなさ過ぎなことに美徳があるのか。日本人だから仕方ないのか。そんなのイヤン。
でも、主張し過ぎるとだめ。うざがられる。
直接的にぎりぎり言わない、ぎりぎりの表現で。
ところで、サイレントマジョリティーという言葉、Facebookにも書いたが以下のパクリ。
キャッチーな言葉だったのでこれで一本記事書きたくなった、というのが本音。
んちゃ。