テレビの視聴率が「タイムシフト視聴率」を足したものにいつの間にか変わっていた件。
2016年10月3日から、関東地区のTVの視聴率が変わった。
すでにご存知の方も多いと思うが、TVの視聴率が
という計算式で出されるようになった。(関東地方に限る)
以下、正式リリース文章。
関東地区テレビ視聴率調査の仕様変更 タイムシフト測定の考え方と新指標について | ビデオリサーチ
これ、結構やり方が、えぐい。
前後比較をできないようにさせつつ、移行?
今までは「リアルタイム視聴率」しかとっていなかったのだから、10/3以降とそれ以前だと、当たり前だが比較自体ができないのだ。
今の前後比較方法は
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【10/3以前】リアルタイム視聴率 VS 【10/3後】リアルタイム視聴率+タイムシフト視聴率
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となるわけで、普通に考えたら10/3以降のほうが視聴率はよくなる。
さらに、ドラマや映画はタイムシフト視聴率が明らかに高いはず。下手したら、3人に1人はタイムシフト視聴かもしれないので、今まで視聴率が10%だったドラマも総合視聴率にしたら、13%くらいまで増えるかもしれない。いや、まじで。
しかし、今のニュースには「総合視聴率」なのか元来どおりの「リアルタイム視聴率」なのかが書いてない。
このニュースもそうだ。
朝ドラ、ニュース、スポーツなど、リアルタイム性がある程度必要なものに関してはさほど差はでないだろう。しかし、ドラマはいただけない。「秋のドラマは軒並み好調」という結論は、いささか乱暴すぎるのではないだろうか。
正当性のある数字を出そうとする努力。
このタイムシフトを入れた視聴率は明らかに「改善」だろう。視聴率取得の世帯数を増やしたこともかなりいいと思う。
しかし、これをあえて公表せず、「前よりもよくなった」と言い切るメディアは卑怯だと思う。ずるいと思うのは、番組が切り替わる10/3くらいから導入した点だ。
同じドラマでどれくらいタイムシフトが入るのか、その検証をあえてできないようにしたように見える。実際はそうじゃないかもしれないけど、だったら10/17くらいからやれば言いだけの話だ。
それくらい、正当性のある数字にすべきだったし、してほしかった。
下記の記事でもあるが、
私は、これから視聴率を伝える際、受けとめる際には十分注意してほしいと思う。伝える側は、少なくともそれがリアルタイム視聴であることを明記すべきだ。それから、「総合視聴率」も注目したほうがいいだろう。リアルタイム視聴との差異もネタにすると面白いと思う。受けとめる側は、自分の好きなドラマの視聴率が低くてもがっかりすることはない。総合視聴率が出るまで待ってみるといい。
こういった視点を常にもって、テレビの出す奇怪な数字を見てほしい。
願わくば、今まで見られてなかった数値が出るようになりました、という正しい報道になりますように。
それでは、んちゃ。